MACでRを使う

 SPSSはとても優れた統計解析ソフトです。GUIも丁寧にできていますし,出力結果もわかりやすいです。ただ,毎年のようにバージョンアップがあり,その度に多額の出費が必要とされます。学生割引はありますが,社会人になってしまうと,高額な料金で購入しなければ使えなくなってしまいます。

 そんなSPSSで,長年社会調査法を学生の皆さんに教えてきました。しかしながら,卒業と同時にほぼ使えなくなるソフトで社会調査の方法を教えることが,果たして妥当なのか。そう思い悩み,フリーソフトでの教授法を考えてきました。

 フリーソフトのHADもまた,秀逸な統計解析ソフトです。エクセルがあれば起動できます。しかしながら,やはりMACへの対応は二の次になっているのが現状です。WINDOWSユーザーが作者ですから,MACへの対応が遅くなるのはやむを得ないことです。それは,よくわかります。しかしながら,MACユーザーとしてはMACで自由に使える統計解析ソフトを強く希望するのです。

 フリーの統計解析ソフト(統計解析に強いプログラム言語,といった方が正確かもしれませんが)のRも,実に秀逸なソフト(言語)です。しかしながら,テキストの書き手は主にWINDOWSユーザーなために,テキスト通りに行なっても,期待通りの結果がMACでは得られないことが度々ありました。

 世の中にマニュアルが無いなら,作ればいい。ということで,MACでRを使うために必要な情報を,メモ的に書き出してみることにいたしました。少しずつ,改良していきますので,初めは荒い情報ですがご容赦ください。

(1)MACにRをインストールする

 すでにいろいろなサイトや書籍でインストールの方法は解説されています。MACにインストールする際,特段,困ったことはなかったので,インストール方法については省略いたします。

 2019年4月現在,MacでもRStudioを使用することができるようになりました。RStudioとは,Rを取り込んだ総合環境のことです。Rは単体でも十分な機能を持っているのですが,実際にRのソースファイルを読み込んだり,実行したり,編集したり,結果を保存しようとすると,結構やっかいなことが多いです。それらの作業を,一箇所で簡単に行ってくれるのがRStudioです。

 Rのインストールが済んだら,ぜひ,RStudioのインストールもあわせて行うことを強くお勧めします。

(2)RStudioのインストール

 検索ワードとして「RStudio」を入れて検索すると,RSdudioのWEBサイトがヒットします。ホームページ左下にある「DOWNLOAD RSTUDIO」をクリックするとダウンロードページに進むことができます。

 RStudio DesktopのFreeを選ぶとインストーラーが表示されるので,自分のPCの環境に合ったインストーラーをダウンロードしてください。

(3)RStudioを起動する

 インストール後,初めてRStudioを起動すると下図に示した画面が表示されます。メニューバーから「File」→「NewFile」→「Rscript」を選択すると,その下の図に示したように4画面から構成された基本画面が表示されます。

 

 

インストール後初めて起動した時に表示される画面。

「File」→「NewFile」→「Rscript」と選択すると,左の画面が表示されます。

 左下がコンソール画面。これはR本体がいる場所です。

 左上がエディタ画面。ここに,Rで実行したいコード(プログラム)を書きます。

 右上はデータなど,さまざまな情報を提示する画面です。

 右下の「Viewer」タブに分析結果が出力されます。

 

 

(4)出力結果をHTMLに出力する

 右下の「Viewer」タブ内には,出力結果をHTMLとして出力する機能があります。この機能を使うと,出力結果を誰とでも共有することができるようになります。

 左上のエディタ画面に,Rのコード(プログラム)を書きます。「Knit」ボタンをクリックするとプルダウンメニューが表示され「Knit to HTML」「Knit to PDF」「Knit to Word」を選ぶことができます。選択するとコードが実行され,実行結果が「Viewer」に出力されます。

 

左の図は,実行結果が「Viewer」に出力された状態を示しています。