浅川達人研究室news

岩手県上閉伊郡大槌町の吉里吉里地区と波板地区。鯨山からの眺望。(2015年5月17日浅川が撮影)
岩手県上閉伊郡大槌町の吉里吉里地区と波板地区。鯨山からの眺望。(2015年5月17日浅川が撮影)

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 このサイトは,明治学院大学社会学部社会学科教授浅川達人研究室に関わるさまざまな情報のうち,速報性の高い情報に特化して発信するために開設されました。「浅川達人研究室」のサイトは,書庫のようなサイトであり,これまでの情報を蓄積しつつ公開しております。社会学,社会調査,社会地図,社会地区分析,コミュニティ,被災地復興支援活動などに興味を持っておられる方は,どなたでもお立ち寄りください。


BLOG

学会賞をいただきました

 忙しさにかまけて,ブログの更新を怠っておりすみませんでした。

 

 さて,前回のブログでご紹介した論文が,日本フードシステム学会より「学会誌賞」をいただきました。「フードシステム研究の発展に寄与するところ誠に顕著でありました」という賞状を2016年6月18日付でいただきました。フードデザート研究が,フードシステム研究におけるひとつの重要な研究テーマであることを認めていただき,志を強くいたしました。

 これからもフードデザート研究を深めていきたいと存じます。引き続き,どうぞよろしくお願いいたします。

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論文が掲載されました

 フードシステム学会の学会誌である『フードシステム研究』第22巻2号pp.55-69に,「高齢者の健康的な食生活維持に対する阻害要因の分析ーGISおよびマルチレベル分析を用いたフードデザート問題の検討ー」という論文が掲載されました。私はセカンドオーサーとして,主にマルチレベル分析を担当しました。


 以下に,概要を書き留めておきます。興味をお持ちの方は,図書館などでご覧ください。


<概要>

 本研究の目的は,地方都市の中心部で暮らす高齢者の健康的な食生活を阻害する要因を分析することである。調査対象者の多くは町の中心部で生活しており,約49%が低栄養状態であった。マルチレベル分析を用いて解析した結果,家族やコミュニティに対して弱い紐帯しかもたないこと,および食料品にアクセスが困難であることは,町の中心部で暮らす高齢者の栄養状態を悪くする要因となっていることが示された。これらの地域は「フードデザート(FDs)」と捉えることができる。これまで,フードデザート問題は過疎地域や,商店街がシャッター通りと化した地方都市における社会問題であり,自家用車がないと物理的に買い物が困難となるという社会問題とみなされてきた。しかしながら本研究は,社会関係が希薄となることもまた,フードデザートのリスクを増大させることになることを示している。

パリ同時多発テロ

 2015年11月14日,パリで同時多発テロが発生し,多くの死傷者が出た。犠牲になった方々のご冥福をお祈りし,傷つき苦しんでいる多くの方々と,その方々につながるみなさんに哀悼の意を表したいと思います。

 

 パリは私が2回目の海外旅行に行った場所であり,人生で初めて社会調査の真似事をして,小さな論考を執筆した地です。その地でこのような出来事が生じ,悲しみと怒りと恐怖を感じます。悲しみに打ちひしがれ,怒りと,さらなる攻撃に対する恐怖にさいなまれているパリで暮らす方々と連帯したいという気持ちもあります。

 

 しかしながら,「断固としてテロと戦う」といった論調には違和感を感じます。そもそも「テロ」は心性であり,どれほど空爆を繰り返しても,心性を根絶やしにすることなどできません。むしろ,怒りや苦しみをもつ人々をさらに大量に作り出すことになると考えます。またどれほど警戒レベルをあげても,国境を封鎖しても,テロ行為を未然に防ぐことはできないだろうと予想します。

 

 この困難な時代を,私たちはどう生き抜けばよいのでしょうか。私は,テロ行為に向かう人々がもつ苦しみに,私たちの意識を向ける必要があるのではないかと考えています。テロ行為に向かう人々が,どのような苦しみを,なぜ抱くに至っているか。この苦しみを軽くし,和らげ,なくすことを考えるべきではないかと考えます。そのためには「欧米と連携して断固としてテロと戦う」のではなく,まず,「テロ行為に向かう人々の苦しみ」を知るべきだと思います。

 

 そのために役に立つのは読書です。役立つ書物は数多ありますが,短時間で読むことができる文献として,3点お勧めしたいと思います。

 

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池内恵『イスラーム国の衝撃』文藝春秋,2015年

 イスラーム国とはどのような存在か。ジハードとは何か。カリフとは何か。このような私たちの疑問に答えてくれるのが本書です。

 

高橋和夫『イスラム国の野望』幻冬舎,2015

 高橋和夫先生は,私が放送大学に勤めていた時,ご一緒させていただいた先生です。その頃から,中東アジアの一線級の専門家として有名な方でした。この本で高橋先生は,イスラム国のメンバーが,「イギリス・フランスが作った体制に牙を剥き,イスラム世界の統一を願うのは,けっして荒唐無稽なことでも誇大妄想でもありません。」(p.126)と述べています。それがなぜなのかを,分かりやすい平易な言葉で述べられています。

 

中田考『イスラーム 生と死と聖戦』集英社,2015年

 中田さんはイスラム法学者です。イスラム法学者という目から見た時,イスラム世界はどのように見えるのか。それを描いたのが本書です。

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 怒りは苦しみの表現でもあります。苦しみを軽くし,和らげ,なくすことにより,怒りの連鎖を断ち切ることを目指すべきだと,私は考えております。

論文を提出しました

 9月28日(月)締め切りの論文を,先ほど提出して参りました。明治学院大学社会学部付属研究所が刊行している『研究所年報』第46号(2016年3月発行)に掲載予定の論文です。タイトルは下記の通りです。


「実験室」としての津波被災地

ー災害リスクはコミュニティに共同性を創出し得るかー


 刊行されますと抜刷りが30部ほどいただける予定です。ご希望の方には抜刷りをお送りいたしますので,浅川までemailにてご請求くださいませ。

KS法R言語化:第1段階終了

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