私はMacユーザーであるため、Macで統計解析を実行しています。今のところ、研究用にはSPSSのMac版を利用しています。教育用には関西学院大学の清水先生が開発した「HAD」を使わせていただいております。
HADは秀逸なソフトですが、母体となるExcelがWindowsに最適化しているため、Macで動作させると、どうしても動作が遅くなってしまいます。その点が、若干の不満でありました。
このサイトでもご紹介しているように無料ソフトとして「R」があります。RStudioもMac対応してくれたので、Macでも快適に動作するようになりました。しかしながら、RとRStudioを導入するという環境設定がそれなりに大変なため、PCに詳しくない学生さんにはハードルが高いようです。
もう少し環境設定が簡単で、しかも無料で使うことができる統計解析環境がないものかと探しておりました。そこで出会ったのが、Google Colabです。
Google Colab(グーグル・コラボ)とは、教育や研究機関へ機械学習の普及を目的としたGoogleの研究プロジェクトのひとつです。クラウド上でPythonを動かすので、PythonをMacにインストールするなどの環境設定がほぼ不要です。Googleドライブを使うことができれば、誰もが簡単にPythonを使うことができます。
私は下記のURLのWEBサイトでGoogle Colabの導入方法を学びました。詳しく書かれているので、こちらを参照してください。
https://www.codexa.net/how-to-use-google-colaboratory/
WEBブラウザーとしてChromeを使うことができる方は、簡単にGoogle Colabを使うことができます。手順は下記の通りです。
(1)Chromeを起動する
(2)Google Driveを起動する
(3-1)新規ファイルを作る場合:左上の「+新規」→「その他」→「Google Colaboratory」
(3-2)既存のファイルを開く場合:開きたい「 .ipynbファイル」をダブルクリックする
スマホ版のGoogle Driveアプリからは、直接Colaboratoryを開くことができません。利用するためには、以下の手順で行います。
①スマホのWEBブラウザーを立ち上げる(Chromeでも、Safariでも大丈夫です)
②検索ワードに「Google Colaboratorty」を入力して、Google Colaboratoryのページを開く
②googleのアカウントからログインする
③メニューバーの「ファイル」→「ノートブックを開く」
④開きたい「.ipynbファイル」を開く(ただし、.ipynbファイルは「マイドライブ」のルートに保存しておく必要があるようです。2019年10月30日現在)
自分のMacに保存されているファイルを、クラウド上にアップして利用する方法について説明しておきます。セルに下記のコマンドを記入し実行します。(#の後ろの文字列はコメントです)
#ローカルファイルを直接アップロードする
from google.colab import files
uploaded = files.upload()
このセルを実行すると、下のウインドウが表示されます。
「ファイル選択」をクリックすると、自分のMacのファイルを選択する画面が開くので、アップロードしたいファイルを選びます。下図のようになれば、アップロードの完了です。
Google Colabが使えるようになったら、下記の書籍で、統計解析について学ぶことをお薦めします。とても分かりやすく、なおかつ、基礎を省かず丁寧に解説してくれています。
馬場真哉『Pythonで学ぶ新しい統計学の教科書』翔泳社、2018年