「町歩き」を行いました

 6/14(日),2015年度3年生ゼミ初の「町歩き」を行いました。3年生ゼミ(演習1)では,春学期は『21世紀とは何かー「現代社会学」入門』を講読し,社会学の基礎を学んでいます。教室で学んだ社会学を,実際に町に出て使ってみるのが「町歩き」です。今回の町歩きでは,墨田区の曳舟駅から荒川区の南千住駅までを歩きました。


 東武スカイツリーラインを曳舟駅で下車し,墨田区の街並みを拝見しながら,まずは一寺言問集会所まで歩きました。この集会所の前には手押しポンプがあり,雨水利用ができます。そこから北上し,向島百花園のすぐそばにある「路地尊」を観察させていただきました。「路地尊」とは墨田区で数カ所設置されている雨水利用装置です。地域の方々が自宅や近所の方々の庭木の水やりに利用したり,火災時の初期消火に役立てているものです。このあたりの住宅は,木造密集住宅が多く,路地も細く,曲がっています(上の写真の左をごらんください)。この地域でどのような生活が営まれているか,社会学的想像力を働かせながら歩きます。


 都営アパートである白鬚団地を見つつ,水神大橋で隅田川を渡り,荒川区へと入ります。すると,上の写真右のような高層マンション群が見えてきます。ここは南千住。都営アパートと民間の集合住宅が混在するエリアです。先ほどまで歩いてきた木造密集住宅地での生活とは異なる生活が営まれていることが予想されます。何が,なぜ,どのように異なっているのか,社会学的想像力を働かせながら歩きました。


 「町歩き」はFieldworkであり,散歩ではありません。ただ漫然と歩いていても,何の発見もありません。社会学的想像力を働かせながら歩くことが肝要です。ゼミ生のみなさんには,その点を強調したかったのですが,果たしてうまく伝わったかどうか。参加したゼミ生のみなさんに社会学的な気づきがあったことを期待して,再び教室での学びに専心したいと思います。